扶養制度の基本を正しく理解する
チャトレとして働く際、多くの主婦や学生が気にするのが扶養の問題です。「103万円の壁」という言葉は有名ですが、実はこの制度は思っているより複雑で、正しく理解している人は少ないのが現状です。扶養から外れることを恐れて収入を抑えるのではなく、制度を理解した上で賢く稼ぐことが大切です。
まず大前提として、この記事で説明する内容はあくまでも一般的な税制の解説であり、個人の状況によって適用される制度は異なります。実際の判断については、必ず税理士や税務署に相談することをおすすめします。税制は頻繁に改正されるため、最新の情報を確認することも重要です。
扶養には大きく分けて「税法上の扶養」と「社会保険上の扶養」の2種類があります。103万円の壁は税法上の扶養に関するもので、配偶者控除を受けられるかどうかの基準です。一方、130万円の壁は社会保険上の扶養に関するもので、健康保険や年金の扶養に入れるかどうかの基準となります。
チャトレ収入の所得区分と計算方法
チャトレの収入は、税法上「雑所得」または「事業所得」に分類されます。これは給与所得とは異なり、給与所得控除が適用されません。つまり、パートやアルバイトの103万円の壁とは、計算方法が根本的に異なるのです。
チャトレの場合、収入から必要経費を差し引いた金額が所得となります。例えば、年間収入が150万円でも、経費が60万円なら所得は90万円となります。この所得から基礎控除48万円を引いた金額が課税所得となり、これが配偶者控除の判定基準となります。
▼経費計上の重要性
チャトレの経費として認められるものは多岐にわたります。パソコン、スマートフォン、カメラ、照明機材、インターネット回線費用、衣装代、メイク用品、美容院代、家賃の一部(在宅の場合)など、仕事に必要な支出は経費として計上できます。
これらの経費を適切に計上することで、所得を抑え、扶養内に収めることが可能になります。ただし、過度な経費計上は税務調査の対象となる可能性があるため、必ず領収書を保管し、仕事に必要な支出であることを証明できるようにしておく必要があります。
103万円の壁を超えても大丈夫?配偶者特別控除の活用
2018年の税制改正により、配偶者控除・配偶者特別控除の制度が大きく変わりました。以前は103万円を超えると配偶者控除が受けられませんでしたが、現在は150万円まで(所得ベースで95万円まで)は配偶者特別控除として同額の38万円の控除が受けられます。
つまり、チャトレの所得が95万円以下であれば、夫の税負担は変わりません。所得95万円ということは、経費を差し引く前の収入で言えば、かなりの金額まで稼げることになります。例えば、経費率が30%なら、収入135万円程度まで問題ないということです。
▼段階的な控除額の減少
所得が95万円を超えても、すぐに控除がゼロになるわけではありません。133万円までは段階的に控除額が減少していきます。つまり、103万円の壁を少し超えたからといって、急激に手取りが減るわけではないのです。
ただし、夫の所得が900万円を超える場合は、配偶者特別控除の金額が減少します。夫が高収入の場合は、この点も考慮する必要があります。
130万円の壁:社会保険の扶養について
税法上の扶養より影響が大きいのが、社会保険の扶養です。年収130万円を超えると、夫の社会保険の扶養から外れ、自分で国民健康保険と国民年金に加入する必要があります。これにより、年間20〜40万円程度の負担が発生します。
社会保険の扶養判定は、今後1年間の見込み収入で判断されます。月額108,333円(130万円÷12ヶ月)を継続的に超えると、扶養から外れる可能性があります。チャトレの場合、月によって収入の変動が大きいため、この判定が難しくなることがあります。
▼健康保険組合による違い
注意すべきは、健康保険組合によって扶養の判定基準が異なることです。協会けんぽと企業の健康保険組合では、細かいルールが違います。チャトレ収入を「継続的な収入」とみなすか、経費を差し引いて判定するかなど、組合によって対応が分かれます。
夫の会社の健康保険組合に、チャトレ収入がある場合の扶養条件を事前に確認しておくことが重要です。ただし、チャトレという仕事の詳細を説明する必要はなく、「在宅での個人事業」として相談すれば十分です。
扶養を外れてでも稼ぐメリット
扶養にこだわりすぎて収入を抑えることは、必ずしも得策ではありません。ある程度稼げるなら、扶養を外れてでも稼いだ方が、世帯全体の手取りが増えることがあります。
一般的に、年収160〜180万円程度が損益分岐点と言われています。これ以上稼げるなら、社会保険料を払っても手取りが増えます。チャトレは高収入が期待できる仕事なので、思い切って扶養を外れることも選択肢の一つです。
▼扶養を外れるメリット
扶養を外れることにはメリットもあります。まず、収入を気にせず自由に働けることです。毎月の収入を計算しながら調整する必要がなくなり、稼げる時に思い切り稼げます。
また、自分で厚生年金に加入すれば(法人化した場合)、将来の年金額が増えます。国民年金だけでは老後の生活が不安ですが、厚生年金があれば安心感が増します。社会的な信用も高まり、クレジットカードの審査なども通りやすくなります。
青色申告で節税効果を最大化
チャトレで本格的に稼ぐなら、青色申告を検討すべきです。青色申告特別控除として最大65万円の控除が受けられるため、大幅な節税が可能です。これにより、扶養内に収めやすくなるだけでなく、所得税や住民税も削減できます。
青色申告をするには、開業届と青色申告承認申請書を税務署に提出する必要があります。また、複式簿記による記帳が必要ですが、会計ソフトを使えばそれほど難しくありません。
▼青色申告のその他のメリット
青色申告には、特別控除以外にもメリットがあります。赤字を3年間繰り越せる、家族への給与を経費にできる(青色事業専従者給与)、30万円未満の資産を一括経費にできるなど、様々な特典があります。
特に、青色事業専従者給与を活用すれば、夫に給与を支払うことで、世帯全体の税負担を減らすことも可能です。ただし、この場合は夫が配偶者控除を受けられなくなるため、慎重な検討が必要です。
確定申告を正しく行うことの重要性
チャトレ収入がある場合、金額に関わらず確定申告をすることをおすすめします。所得が20万円以下なら確定申告不要という話もありますが、これは給与所得者の副業の場合で、住民税の申告は必要です。
確定申告をしないと、後から税務調査で指摘され、追徴課税や延滞税を払うことになる可能性があります。特に、チャトレサイトから税務署に支払調書が提出されている場合、収入は把握されています。
▼確定申告のやり方
確定申告は、思っているほど難しくありません。国税庁のホームページにある「確定申告書等作成コーナー」を使えば、画面の指示に従って入力するだけで申告書が作成できます。e-Taxを使えば、自宅からオンラインで申告も可能です。
わからないことは、税務署の相談窓口で聞くことができます。2〜3月の確定申告時期は混雑しますが、それ以外の時期なら比較的ゆっくり相談できます。
まとめ:賢く稼いで賢く節税する
チャトレと扶養の問題は複雑ですが、正しく理解すれば恐れる必要はありません。103万円の壁は、経費計上と配偶者特別控除の活用で、実質的にはかなり高い壁になっています。
重要なのは、扶養にこだわりすぎて機会損失をしないことです。チャトレで月20万円、30万円と稼げる能力があるなら、扶養を外れてでも稼いだ方が、生活は豊かになります。
ただし、税金のことは複雑で、個人の状況によって最適な選択は異なります。必ず専門家に相談し、正しい知識を持って判断することが大切です。賢く稼いで、賢く節税し、豊かな生活を実現しましょう。